エクセルで作った予定表に「日本の本、買う」と書いてありました。
ここのところ目に見えるように衰えている自分の日本語の語彙や表現の能力を嘆いて、言い回しの豊かな作者の小説でも読んで自分のスピーキングとライティングの能力を少し鍛えようかと思っての計画でした。(それ、まず英語の方を心配しろよ。だから上達しない。)
ということで先週、ピカデリーサーカスにあるジャパンセンター(ここで日本の雑誌やら食器やらがいろいろ買えるし空きフラットの情報も掲示板に貼られている。隣は日本食レストランになっている)に訪れたのですが、まあ当然とはいえその全てが定価の倍くらいの値段はしたものですから「ここは一発、電子図書だな」と昨夜、メカ音痴な僕が慣れないことに挑戦してみました。
四苦八苦しながらもダウンロード?インストール?だっけ、そのどちらかに成功して、元の狙いはどこに行ったのか手始めに読みやすい刑事小説なんかを読んでいると、自分が小説中毒であることを思い出しました。
前に遠距離恋愛していた恋人が甘い物好きの僕に送ってくれた一ヶ月分のお菓子をわずか二日で食べきった時に「甘いもの中毒」と批難されたのですが、タイプとしてはそれに似ています。
食べ終わってないチョコレートがそこにあるのに食べることを止める理由がわからない。
読み終わってない小説がここにあるのに本を閉じる理由がわからない。
そんなところです。
せっかくエクセルで毎日のノルマをオーガナイズしたのに、それらを全てすっ飛ばして睡魔に敗れる午前3時まで延々と小説を読み続けました。
おかげで日曜だというのに眠い。
起きたら起きたで再び読み始めて止まらなくなった僕を、おニューのスパイクを早く履きたくてしょうがないノリノリのファンパオロが部屋まで迎えに来ました。
「早く行こうぜ」
用事のあったフリアンをフラットに残して、彼とと二人で公園に向かう途中Gショックを忘れたことに気づき、ラウンド時間を計れないので今日はシャドー無しな、と伝えると元々ボクシングにはあんまり興味なさそうな彼はちょっと嬉しそうな様子。
しかしその代わりにと用意した坂道バックステップラン5本と普通の前向きのダッシュ5本で彼はすでに足をつっていました。
チャリンコタクシーのバイトをしている彼はそれを昨夜の仕事疲れのせいにしてたけど、それにしても足の遅いこと遅いこと。
いやあ、運動神経の悪いラテン人もいるんだねえと思いながら彼のランニングフォームをじっくり眺めていると、右肩が左肩より高い所に位置しながら両方が上下にクネクネと乱雑に連動し、腰も首もこまめに揺らめいているので、ふざけてんのかと思うけど顔だけは怒涛の修羅場。
しかも更に特記すべきはそのステップで、右足が地面を踏む位置が左足より左側に来て、左足が地面を踏む位置が右足より右側に来るという二次元的にも三次元的にもクネクネを楽しめる走り方だったので、笑いをこらえながら「そういうスポーツがあったら世界レベルのアスリートになれるのに」とか「クネクネ成金になれないかなあ」などと一人妄想していました。
と同時にそれにしてもやたらと股間を締めつけたような走り方なので、傍目から見たらションベンを我慢しながらトイレを探して激走している小学生のような絵面で、むしろそのまま本当にトイレにでも何でも消え去ってくんねえかな、と一人目を細めます。
坂道ランが終わるとあんまり辛そうな顔をしていたので「今日はサッカーやらないでもう切り上げるか」と尋ねると
「何言ってんだよ。一週間サッカーを楽しみにしてたんだよ」
と頼もしい返事が返ってきたので、予定通り付き合ってあげることに。
靴を履き替えているときに彼が嬉しそうに見せたおニューのスパイクが僕と色違いだったので、ちょっとウゲッとなりました。
それが理由ではないのですが、今日はコンタクトプレーのある練習を多めにやったため、ファンパオロに激しくチャージしてよく彼をふっ飛ばしてました。
ちょっと力入れすぎたかなと練習終わった後、彼のテンションの低下をちょっとだけ心配してあげてると
「来週からはこれ、土日両方やらない?」
との恐ろしい申し出が。
うーん、さすがバカ。バカはタフネスであってこそ価値があるといもの。
しかしさすがに断りました。
家に帰ると再び全てのノルマを無視して電子図書に勤しみ、わずかな残りページを読み切った僕はしばらく日本語の小説は読むまいと猛省。
にも関わらず日本語のポッドキャストはしっかりと聴きました。
ポッドキャスト終わりに「ポッドキャストにCMを流しませんか?」みたいな感じでスポンサー募集のCMが流れるのですが
「情報感度の高いターゲットに効率的にメッセージを送れるポッドキャストアド・・・」
みたいなコピーにここのところいつも嫌気を感じています。
いわゆるお笑いで言うところの「あるあるネタ」は僕の笑いのツボには全く入ってこないのですが、それに通じるところがあるのでしょうか、笑いに関わらず意識して「それってあるよね」なことや、このスポンサー募集のコピーのように無意識に浸透させようと試みるものに、一旦流されてあげた後「うーんやっぱそれちょっと受け入れられないなあ」と捻くれてしまうことは結構あります。
例えば「海外に行くとお茶漬けが恋しくなるよな」とかまあ、そういういうこと。
恋しくなったこと一度もないし。梅干しも。
情報感度が高いかどうかに関しても突っ込みどころがあるけど、それよりも先ず僕が声を大にしてはっきり言いたいのは
「何だそのスカしたネーミング」。
電子図書でも読んで少しは表現能力を鍛えなさい。
どうせ新しい言葉を作るなら
「空中イレギュラー」
とか
「バットをしならせて」
とかの言葉を生みだした誰だったかの解説者を見習ってほしいものです。
ちょっとウキウキしそうなこんな言葉を言われたら、僕もバットをしならせて右方向にホームランを打ちたくなるってものです。
まあ好みの問題を素人の人間に言われたくないだろうし、あくまで僕の主観なんですけど、はっきし言って「情報感度」はイモい。(←これこそ表現能力貧困だしイモい)
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