愚痴の多いルームメイトの中国人がまたカジノで給料全額スッたらしく、交通費すら無いので今日から次の給料日まで歩いて学校に行くと言い出しました。
昨日、自己嫌悪にまみれた彼の生い立ちをうっとうしくも聞いてあげたのですが、まあ何と甘やかされて育ったことか。
成人も過ぎているというのに、ロンドンへの旅費も学費も家賃も、今のところ全て家族に払わせているうえ、その家族たちに対する愚痴がまあ、こぼれることこぼれること。
親にばれたら国に戻される。ロンドン在住の叔母さんにもばれたくない。もう何度も同じことを繰り返してるので従兄も貸してくれない。
と、さんざん愚痴をこぼした後で何度目かの
「絶対に自分を変えてみせる!」
が出ました。
絶対変わりません。
月並みな意見で申し訳ありませんが、彼に必要なのは強い意志やモチベーションではありません。
周りの人間や出来ごとに対する感謝です。
そしてそれを出来るようにするための新しい習慣の積み重ねです。
先ずは自分がどれだけ幸せかを自覚して、周りに対する思いやりや気配りを持たない限り
「今日から給料日まで誰からも金を借りずに学校まで歩き続けます」
と大見え切って、片道一時間半の道のりをスタートしたところで彼の根性なら持って三日がいいとこ。
まあ、気をつけて行ってらっしゃい。
ところで、幸せの容量というのは本人がどう受け止めるか次第によって決まるものですが、僕の知人にこんな対照的な二人の女のコがいました。
何年か前、二人はともに「自分ではない本命の恋人がいる男性」と、それを知ったうえでの恋愛をしていたのですが、二人ともほぼ同時期に同じような経験をすることになります。
本命からかすめ取った彼との時間をしばし共有し、じゃれついた余韻も冷めやらぬうちに散らかっていた男の部屋を片付けていると、恋人と楽しそうに写っているその男のプリクラを発見してしまいました。
と、ここまでは二人とも同じ体験なんですが、この後の対応が違います。
一方はその男に詰め寄って
「何でこういうのを隠しておくことが出来ないの?こっちはわかってて会いに来ているとはいえ、そういう気配りの一つくらいしてくれてもいいんじゃない?もう、さっきまでの幸せが台無し!」
と怒って帰ってしまいました。
ところがもう片方は、彼に怒るどころかお礼を言ったみたいです。
「これ、わざとここに置いてたんでしょ。私に変な期待を持たせないように。私が早くあなたから離れられるように。そういうところがあなたらしいね。ありがと」
そう言って悲しく笑いました。
プリクラの真意がどうであれ、彼女たちの対応に関しては好き嫌いの問題なのでどちらがどうとは言いませんが、なかなかわかりやすくて興味深い話です。
そう言えば別のコが、自分の彼氏の浮気現場に遭遇し、裸で寝ている浮気相手との一通りの修羅場を終えた後、彼氏と二人になってこんなことを言いました。
「浮気相手にあなたの枕を使わせて、私の枕をあなたが使っていたのは嬉しかった」
これも好き嫌いがあるだろうし、字面通りには収まらない感情も彼女にはあったと思うのであまり深くは言及しませんが、しかしうちの中国人にも彼女たちの精神をちょっとは見習ってほしいものです。
と、偉そうに感謝や幸せについて説いてみても、引き合いに出した題材のモチーフにスケコマシが堂々と構えているので今一しっくりこない。
あくまでこれ、例えばの話みたいなものということにしよう。
いや、こんな例え話しか出来ない方が問題か。
教訓にざらついた話しか持ってこれない自分の過ごしてきた環境に感謝だな。
幸せ幸せ。
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