あ、カタリーナとピーフィーが遊びに来てる。
と思って下に降りて、ほっぺとほっぺを左右一回ずつくっつける空キッスの挨拶。ちなみにブラジルでは右左右の合計三回。
特に話す話題もなかったのでまたすぐに自分の部屋に上がり、時間を潰していると今度は旅行に出ていたファビアンの声が。
また降りて、久しぶりの再会に握手を交わし、パソコンで何やら作業をしている彼に問うてみると、新居を探しているとのこと。
てことは見つかるまでのしばらくの間はサミーの時と同じようにこのソファーで寝ることになるのか。三人部屋は物置にされちゃったからしょうがないよな、と思っていたらファビアンの携帯にコールが。
二言三言話した後に電話を切って
「旅行帰りのカリーナの荷物を手伝いに、今からバス停まで迎えに行ってくる」
とのこと。で、今知ったんだけど彼等は従姉弟同士みたい。
だから女二人と男一人の三人部屋なんておかしな状況が成り立ってたのか。成り立ってたのか?パオラの立場は?
と、もう過ぎ去ったどうでもいいことを思ったけど新たな疑問が。
カリーナ、今日どこで寝るの?
三人部屋は「不動産屋が鍵をかけにくるから入れなくなる」ってだいぶ前に言ってなかったっけ。
ところでカタリーナとピーフィーが帰るときに彼女たちと再びした「ほっぺ空キッス」で思ったんだけど、元々の生まれ持ったものを除くと、女性の匂いには、香水のみならず、洗髪剤や整髪料、それに化粧の匂いというものがあります。
それを考えずに「浮気がばれるから香水つけてこないで。この後彼女に会うから」と浮気相手に言ったところで、ファンデーションの匂いはバッチリ移るわけだからあまり意味がありません。
自分で言うのもなんですが今では生真面目で誠実な中年の僕が、二十代中頃までは不埒(ふらち)で不躾(ぶしつけ)な男だったもので上記のセリフを実際に発言していたのですが、これはちょっと浮気相手にも失礼というものです。
あの頃の僕に言ってやりたい。
「移り香は全部受け入れて、彼女にはラテン人たちとの集まりがあったと言えば大丈夫だよ」
大丈夫じゃない。そして言わなくていい。
あ、カリーナが帰ってきた。どうやらカリーナがソファーで、ファビアンは友達の家に行くみたい。
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