学校に通うようになってしばらくしてから気づいたんだけど、こっちの授業はその日に教えるメインテーマへの導入(前フリ)がなかなか上手です。
なかなか予期してなかったところからその日の課題となる文法の説明に繋げるので、最近はその前フリのうちに何がメインに来るかを予測するというのも楽しみの一つになっています。(こういう無意味なことには積極的)
先日、その前フリで
When was the last time you were ecstatic?
という文が出てきました。
「一番最近めちゃハッピーだったのっていつ?」
といった意味の文だと思います。
先ずは隣の人と二人一組になってお互い話しなさい、といつもの手順で授業が始まったのですが、僕はこの手の小課題に全力で答えてノーテンキなラテン人たちを困らせるという悪い癖があります。
昨日も「タイムマシーンがあったら過去と未来に行って何をしたい?」という質問に対して
「どっちにも行きたくない」
と大真面目に答えてパートナーのルーサ(コロンビアーナ)に残りの時間をずっと喋らせてました。
ちなみに彼女は別れた男とやり直したいとのこと。
俺はギャグみたいなお前の眉毛をちゃんと描き直してあげたい。
話を戻しますが、その日のパートナーだった尾形くん(ソフィア)にハッピーな思い出を一通り喋らせた後、僕の番になったので
「ここ何年もずっと幸せなんだよなあ」
と答えてあげました。
自分自身を世界一幸せな男だと言ってきかないのにはそれなりのきっかけがいくつかあったと思うのですが、覚えているものの一つに教え子とのあるやり取りがあって、それを尾形くんに説明してあげました。
25歳で指導者としての経歴をボランティアの少年団から始めたばかりの頃、練習終りにベンチでみんなで着替えている時にチームのキャプテンが僕に尋ねてきました。
「キッチーコーチもやっぱりいろいろ大変なの?」
他の年配のコーチが何かの他愛無い話の流れで「大人はいろいろ大変なんだよ」とお決まりの文句を言って、そばにいた別のコーチたちもやはり流れで「そうそう、子どもにはわからない苦労が大人にはたくさんあるんだよ」と続いたことを受けての質問だったと思います。
適当に流してあげてもよかったんだけど、この時僕は反射的に
「いや、少なくとも25までは苦労知らずでやっていけるよ」
と答えました。
すると教え子が「ああ、キッチーコーチはまだあんまり大人じゃないからね」みたいな顔をしたので
「来年同じ質問をしたら26までは苦労知らずでいられるって答えるだろうし、仮に俺が50になった時に同じ質問をしたら50までって答えるよ」
と言ってあげました。
この時のやり取りがこの後の生活に対する一定のモチベーションとなるのですが、モチベーション云々に関わらず、教え子たちからの言葉にはなかなか記憶すべきものがあり、他にも
「キッチーコーチはもう青春、終わっちゃったの?」
なんてのもありました。
「青春のワンランク上のところにいるよ」とでも言ってやったらオシャレだったでしょうが、とっさの質問に
「青春ど真ん中だよ」
と味気も何もない返答をしてしまいました。
ちなみに今は更にワンランク、ツーランク上をいってます。
またある時は
「コーチはどうやって彼女と愛を確かめるの?」
と聞かれたから素直に
「セックス」
と答えたら、真面目に答えてよ!と叱られました。
真面目に答えたつもりだったので、じゃあ逆にどうやって愛を確かめるの?と聞くと
「例えば『好きだよ』とか『愛してるよ』って言ってあげるとかさあ」
と小学生にたしなめられました。
なるほど、いい意見だ。
あん時の彼等も今年で二十歳。
たまにはいい話でまとめて自分らしくなさに浸ろうかと思ったけど、今ではあいつらから連絡が来るのは「アドレス変えました」くらいのもん。
送られてくるだけ良しとするか。
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