2010年1月1日金曜日

二日酔い・二つの恋(お、韻を踏んでる)

誕生日が同じという理由だけで採用した福岡の元部下の『ヤンキー』は、毎年律儀に明けましておめでとうメールをくれます。
いつも年明け早々の夜中に、僕が送るより早くに送ってくるので、昨年はムキになって日付をまたぐ前からメールだけ作成しといて、新年を迎えたと同時に送信をしました。よって昨年は僕の勝ち。
今年は時差のおかげで9時間のアドバンテージがこちらにあるので、のんびり構えて電話をしてやりました。

ところで昨日はフラットのみんなで年明けの花火大会を観に、ビッグベンの前の歩行者天国へ。
カタリーナとピーフィーの引越しの手伝いに荷物を新居まで運び、その足で花火大会会場まで行こうということになりました。

早くもテンションが上がっているのか、カタリーナが移動中の電車内で頻繁に話しかけてきます。
その中の一つにこんな質問がありました。
「日本人はみんな、キッチーみたいにストイックなの?」
なるほど、毎朝の勉強をさぼることなくこなして、サッカーがある時も無い時も運動に出かけて、食事も栄養のあるものをきちんと自炊。女性関係もだらしなくないように見える。
ただあのね、僕、仕事してないんですけど。
とりあえず「人による」と無難な答えを返しておきました。

ともあれいつも以上に僕を気遣って英語を頻繁に使ったり、いつも以上にたくさん視線が合うところや、あるいは「キッチーもこっちに引っ越してくればいいのに」と言いながら不動産屋のオフィスで頼んでもないのに空き部屋を尋ねているところから、「カタリーナって、やっぱ俺のこと好きなんじゃん?」とこちらも早くからテンションが上がってきました(童貞的思考回路)。

新居の手続きあれこれを済ませると、みんなで今年最後の夕食をマックでとり、途中、クリスマスに来客したガブリエルも合流して会場へ向かいました。もう一人のクリスマス来訪者、マリアと脂っこいキスをしていた方のアンドレッスィは現地で合流するみたいです。

あ、今書いてて気づいたんだけど、昨日は4対4で珍しく男女の人数が一致してたんだね。
ダメな合コンの体(てい)でシチュエーションコントを頭ん中で楽しんどけばよかった。あの状況じゃ無理か。

川沿いの会場に着くと世界一の大観覧車、ロンドンアイが対岸に見え、水辺に近いことや会場全体の雰囲気から、僕は高一の時に男友達と二人で観た山下公園の花火大会を思い出しました。

昨日と同じように年明けの花火大会だったのですが、男二人だけで花火を観るという気持ち悪さは言うまでもなく、花火を見た後で食べた中華街の料理が高くてまずかったことや、何故か帰りに上野で降りてガラガラの人通りの中、無人のおみくじ売りでおみくじを引くという興奮ゼロの無意味な行動や、あるいは元旦早々友達が財布を失くしたことも含めて、人生で一本指に入る悲惨な年明けイベントとして記憶しています。

あの日の敗北を力いっぱい取り返そうというわけではなかったのですが、寒さ対策のためにガブ飲みしたラムがいい具合にまわり、ガイフォークスの花火大会の時同様、DJが大音量でかけるミーハーな音楽たちが僕をいつもの5倍増しにノリノリにさせ、年明け5時間も前だというのにみんなで踊り始めました。
僕を見つめながら揺れるカタリーナの可愛さもいつもの5倍増しです。

こりゃあちょっと口説いてみようかな、と5倍が6倍くらいまで行っちゃった頃、悲劇は起きました。

得意の迷子です。

トイレから戻ろうとした時、相当酔っ払っていたのか元の場所を思い出せず、歩くのもままならない人ごみの中をさまよい続けました。
よほど一人で帰ろうかとも思いましたが、ここまで来て楽しまないのは損だという貧乏性から、とりあえず一応は探し続けながらも「知らない人と仲良くなってみるゲーム」というものを自分の中で始めました。

手始めは何度目かのトイレで後ろに並んだアルゼンチン人カップル。
酩酊状態でマラドーナをべた褒めし、メッシの素晴らしさを下手くそな英語とスペイン語で語り、二人を苦笑いの渦に巻き込んだ頃、頃合いを見計らってさようなら。
ブラジル人とは住んでた街の話で盛り上がり、ブサイクな白人とは歌で盛り上がり、踊ってた黒人軍団の中に入ったときには同じ動きをなぞってあげ、最後はみんなと抱き合って別れました。
ちくしょう、疲れる。

都合3時間こんな感じで風来坊をしてましたが、得たものといえばブラーの『ソング2』は意外と踊りづらいという感想くらいです。
そして3時間後にようやくみんなを見つけ出して再会した時には、みんなもずっと僕を心配していてくれたみたいで、一人ひとり、全員と抱き合いました。

男前でキザなセバスチャンともみんなのリーダー、マリアともピーフィーにガブリエルにパオラとも。
あれ、カタリーナがいない。
スクラムハーフのようなガタイのパオラのきっつい抱擁を喰らい、「こいつ、俺より腕相撲強いな」とか思いながらも、カタリーナのことに気づいて尋ねてみると、パオラが後方を指さしました。

そこには初めて見る伊達男とブチューしているカタリーナが。
えぇぇー。まぁじでぇ―。

「まあ、ちょっと考えればわかるか。海外初めてじゃないんだろ、今までいろんな女を見てきただろ、オッサン」と自分に言い聞かせて、好きな女とか自分を振った女の前でやたらとイキがる中2の男子の姿勢よろしく、その後は必要以上のテンションでぐらんぐらんに踊り狂いました。オッサンのくせに。

ただまあ、こういった青臭い中2スタイルというものはいくつになっても失くしたくないものだな、というところへ酔っ払いの思考で行きついたのですが、自分の言動を振り返る限り、失くす失くさない以前に9割方の土台は中2と何ら変わりありません。

しばらくして新年へのカウントダウンが始まり、それが終わると花火のラッシュへ。盛り上がりが頂点へ向かい、そして徐々にいい塩梅に。
ベロンベロンのマリアがこの前と同じように粘っこいキスをしていたアンドレッスィから離れて、僕にしなだれかかってきました。

「あーあ、アタシも彼氏欲しいなあ」
とちょっとイタい発言があったので
「あれ、アンドレッスィと付き合ってるんじゃないの?」
と聞くと、ガブリエルもそうだがアンドレッスィはコロンビアの大学時代からの友人らしく
「ダメだよ。アンドレッスィは昔からの友達なんだから」
と更におっぱいを腕に押しつけてきます。

「キッチーが誰か紹介してよ」
との言葉が続いたものだから、これはそこそこの確率で「ホントはあなた(おまえ)がいいんだけど」というあの前フリかな、これって世界共通かなと思いながら、とりあえずは探りを。
「ガブリエルはどう?」
「ダメだよ。彼も昔からの友達だもん」
「うーん。じゃあセバスチャンは?」
「ダメだよ。彼はゲイなんだから」
あ、そうなんだ。・・・・・・マジで!?
「マジで」
「じゃあカン(同室の中国人)は?」
「ふざけないでよ」
と言って抱きついてきました。

おいおい、これはいよいよあれかい?何だよ、かわいいアバズレだな、おまえ。
とか何とか思いながら充分なタメをつくって聞きました。
「じゃあ・・・・・・俺なんかどう?」
「ノー」

いやあ、切れ味鋭かったねえ。ちょっと食い気味だったもん。
笑いどころかもしれないけど、あんまり切れてたものだから一瞬キョトンとしちゃったよ。

あーあ、かわいいコが新しく引っ越してこないかなあ。
そしたらまた恋したり失恋したりできるのに。失恋前提ですか。

ちょっと待て。そんなことよりセバスチャン、ゲイなの?
そういえばあれだけ男前なのに浮いた話が一つもないのは頷ける。
同じ美大の友達(美少年)がセバスチャンの部屋に泊まっていたことがあるけど、あれが彼氏かな。ちょっと面白すぎるぞ。
彼がゲイならば今までのキザな言動全てが普通に受け入れられる。
ていうかちょっと好きになった。いや、そういう意味じゃなくてね。

仮にそういう意味で、そして仮にセバスチャンにもフラれたら、暮れと年明けに女二人とゲイ一人に振られるというある意味世界記録を作れる、なんて気持ち悪いことを空想しながらみんなと帰路に着きました。
ギネスにどうやって申請するんだろう。

帰りはフラットの近くのマックでテイクアウト。
全然食べ物にうるさくない僕ですが、年の最後と初めがマックだなんて、ダメな出来事のような気がします。
買ったチーズバーガーを抱えて通りに出たら今年の初雪が。

ちくしょう。ちょっときれいじゃないか。
今年も世界一の幸せ者というポジションを保持できますように。保持できます。

翌朝は久しぶりの二日酔いでした。





夜空には満月。出だしは好調。



ナショナルギャラリーでガブリエルが合流。今日のファッションのテーマは『新聞配達員』。指だけ出てる貧乏くさい手袋あたりが。



ナショナルギャラリー前の噴水。感想は先ず「冷たそう」。



ビッグベン前の花火ポイントに到着。見えづらいが奥に光るのがそのビッグベン。先行き不透明を暗示していたのか。



蜜月の時。ロンドンアイを背景にカタリーナとツーショット。パオラ撮影。ブレすぎだろ、おい。



他人の犬を勝手に触って勝手に撮影。



ロンドンアイを正面から。昔、お台場の観覧車で彼女と乳繰り合っていたら、一台前のボックスにいた中国人にビデオを撮られていたことを思い出す。



近くでビッグベン撮影。Tate Modern前で対岸を見ながらカタリーナが言った「たぶんビッグベン」はハズレ。



左から、薔薇ガイコツの刺青女・カタリーナ、ゲイのセバスチャン、わんぱく相撲チャンピオンのパオラ、がっつきマリア、チンゲうんぬんは置いといて腕毛が俺より濃いピーフィー。



この時はまだこんなお寒いのでも「かわいい」と思えたなあ。酔ってたし。



トイレ前の行列。このトイレをきっかけに迷子。何故だか同じアングルの写真があと10枚くらいある。



迷子の心情に合わせてお月さまも寂しげ。こんなの撮ってる場合じゃない。



満月とロンドンアイ。が、別に風情は無し。


VJによって映し出された花火模様。そんなことより疲れてきた。



四往復目くらいのビッグベン。もうヤケクソ。



やっとみんなと合流。ガブリエルがパオラにつかまってる様子。
「イェーイ!イイ男ゲット!」
「僕ですか?」



迷子になっている間にこんなことに。いいさ、水分を毎回コーラで補給するような女、こっちからお断りだい。



左から
「おまえ、ぶっ飛ばすぞ!」
「アンタみたいなチンカスがあたいに勝てるとでも思ってるのかい?」
「ねえキッチー、今度一緒にサウナに行かない?」
行かない。



ノリノリの三人組。全員知らない人。



いつの間にかアンドレッスィも合流。マリアのこの顔、痔か?



綺麗かどうかはともかくとして、指が入っちゃってるよ。





大盛り上がりの花火大会。日本の花火に比べて何と色気の無いこと。



おいマリア、こういう時のおまえの心境を聞かせろ。



最後でみんなでパチリ。後ろに知らない人が二人ほど。カタリーナはどこ行った?



帰りに出会った警備の馬。そういえば東京で馬ヅラの部下に「セバスチャン」というあだ名をつけたことがある。



撮ったことはおろか、ここを通ったことも覚えていない一枚。まさか「世界で頑張る日本の企業」みたいな薄っぺらいことを思ったわけじゃないよね、昨日の俺。

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