2010年2月19日金曜日

48時間


ブラジリアンナイトでくたばった次の日、明けて水曜日は授業前に隣部屋のサンドラとの約束があったので3時間ほどしか睡眠がとれず、約束していたジャパンセンターまでフラットの情報を見に行きました。

大した情報は得られなかったのですが、とりあえずサンドラと別れた後、学校に向かい、寝不足の時独特の匂いの強い汗を体中にかき、全く集中することなく何とか3時間をこなします。

授業が終わり外に出るとエントランス前にブルーノが来てました。
久しぶりの再会に挨拶を交わしてフラットの検索状況を尋ねると
「近いうちにジャパンセンターにも連れて行って欲しい」
とのこと。

翌日木曜日の授業前にそれを約束してとりあえず帰路に就きました。

二日連続の授業前の用事のため、今日は早めに寝ようとベッドに入った直後に携帯が鳴りました。
あみちゃんからでした。

やっぱり今日だったか。わかりやすいヤツめ、ラウールのやろう。

あみちゃんからの事前の報告で、今週中に二人で会う時間をラウールに作ってもらうことになっているのは知っていたのですが、授業後のラウールの退社の早さや表情の不自然さからもうバレバレ。

で、結果も予想通り
「フられました」
とのこと。

その後、長電話になりそうだったから、ミョンも来るから何もやましいことも危ないことも無い、という言い訳を自分自身に言い聞かせて、慰めのためにあみちゃん宅まで訪れました。

ああ、ミョンも俺も悲しきモテナイくんだね。

あみちゃん宅ではあみちゃんの失恋感情の行ったり来たりをエンドレスに聞かされるという無間地獄を味わったわけですが、それと同時に彼等の学生ノリに自分が弾かれている感覚に対して思い当たる節を見つけました。

付き合ってからヤるか、ヤってから付き合うか、というタイプに人は別れますが、これに関して言うと僕はぶっちぎりで後者です。
思えば高校を卒業して以来「コクる」という経験をしたことが無いものだから彼らの興奮に今一つ乗ることが出来ないのだけれども、これってチャイムが鳴ったら帰れる帰れないの、あの人間性に関係するのかなあ。

いや、関係ないのかな。それが当てはまるのであればあみちゃんはアバズレじゃないってことになるし・・・

いずれにしてもあみちゃんやミョンが羨ましいものです。

とにもかくにも、おかずを満遍(まんべん)なく上手に食べる育ちのいい子のように、恋と愛と母性と独善と見栄と未練と未練の断ち切りを均等にこぼすものだから、5杯目くらいのおかわりの時にはミョンが床で果てていました。
おやすみ。

その後保護者の気分であみちゃんも寝かしつけ、若い女のコの部屋に泊まっているというのに指一本触れてないないというこのカッコよさに酔おうともしたけれども、極太やチャンピオンがこんなこと聞いたら「おまえまで日和りやがって」と僕の老いを指摘するんだろうな。

とか何とか眠りに落ちたあみちゃんを眺めているとその寝顔が拷問的にかわいい!

「襲っちまおうか」とはちきれんばかりの犯罪意欲に心臓が乱拍子に鼓動しましたが「私の処女はあの人にあげるの」と心に決めた殿方がいる乙女と同じで、逮捕処女の僕も「初めて捕まるときは野球賭博で」と心に決めたあの人がいるのでここはグッと歯を食いしばりました。

時計を見ると明け方4時半。
ちくしょう。二日連続でこの時刻。

明けた木曜日の朝も寝起き一番で泣きごとをおかわりし出すあみちゃんをなだめて、授業の4分の3を遅刻した彼女を学校に行かせました。

「今夜うちでカレーパーティーがあるので良かったら今夜も来てください」
と痺れきった疲労にさらに追い打ちをかけるようなサディスティックな誘いを笑顔でするもんだから、ブルーノを巻き込むことを心に決めて快諾しました。

ブルーノとフラットの情報をピックアップして学校のカフェで通訳してあげた後、授業後にまた会う約束をして、そして僕は前日と同じくジットリした汗を手足や脇の下にかき、拷問のような睡魔と胃のムカつきに耐えながらも、運悪くイギリスの法律改正に伴って今日から30分長くなった授業を何とか終了。

ブルーノとともにあみちゃんちに着くと、トッコさんという日本人のお姉さんが作ってくれたカレーをマリーとあみちゃんが共に丼二杯ずつ平らげたもんだから、亀田三兄弟の三男、和毅の髪の毛の面積くらいしかカレーの乗っかってないバランスの悪いご飯茶碗一杯分のカレーライスを、僕らは提供されるはめになりました。

「これ、二人でシェアしてください」
だって。

おまえ、天然か。
仕方なしにブルーノに譲りました。

今日こそは早めに退散しようと思い、11時にはあみちゃん宅をブルーノと共に後にしたのですが、駅に着くと鉄格子で閉め切られて中に入れない状態。
鉄格子の内側にいた駅員に聞くと隣駅まで歩いていけとのこと。

同じ沿線で隣駅はまだ開いているし、電車もまだ走っているのに、何故この駅だけ?とロンドンの地下鉄事情にブツクサ垂れながら、昨日よりも寒い夜雨の中を二人で20分ほど歩きました。

こうしてただれた性生活を送っている20代のようなタフな二日を過ごしたのですが、得たものはブルーノは相変わらずいい奴だなという確認くらいのものです。

あみちゃんのケアに関してはまだこれから。
彼女がより周りを幸せにするような女性に育ってくれればこの疲労も報われるというものですが、まだ未知数。
期待値は上がってます。

写真はミョンがまだ起きているときに撮ったもの。
カメラを向けると何故か寝たふりをするあみちゃんと、頼んでもないのに、小2が左手で作った粘土細工のジョニーデップ風ポーズを決めてくれたミョン。
おまえがやると宅八郎。

おまえ天才だな。

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