2010年4月17日土曜日

その宗教に名前は無い。


医者に指示された絶食期間も過ぎ、体調もいくぶん回復したので久々に登校してきました。

出席率のいい僕が二日も連続で休むのはなかなかのインパクトらしく、クラスではみんなが心配してくれます。
それと関係あるのか無いのか、ここんところ金曜パブの出席率が悪いラウラとジャディラのお気に入りコンビが、めずらしく「一緒に飲みに行こう」と誘ってくれました。誘わないでも俺は行くけど。

今週一日だけクラスメイトになった日本人の女のコ、『全寮制』とその友達の日本人女性、『南風』と『姉顔』も一緒に行きました。
あとクラスメイトのヒョンとジンソックも一緒。(ともに韓国人男)

パブではちょっとタイプの『南風』と楽しく会話をし始めるたびにラウラとジャディラが別の会話を割り込ませてきて、ぼくの得意とするにわかラブをことごとく遮ってきます。
そして何度もそれが続くので僕ももうあきらめて、『南風』に後ろ髪をひかれながら二人の会話にどっぷり付き合うことにしました。

まだ言うか「キッチーはサンドラのことが好きなんでしょ」から始まり、いい加減ややこしくなるのでベタに丁寧に「友達として好きなんだよ」と説得をして、そこから彼氏のいない二人の女のコと彼女のいない男の恋ばなが始まりました。

もう何度言われたかわからない「キッチーはどんなコがタイプ?何人(なにじん)がいいの?」との質問に、もう何度答えたかわからない「どんなコでもいい。俺を好きになってくれるなら」というカマトト丸出しの答えに続いて「おまえらはどこの国の人がいいの?」と返してやると、ジャディラが必殺あげまんスマイルで
「ジャパニーズ!!」
と言って抱きついてきました。
後ノリでラウラも「ジャパニーズ!!」でした。

ただし、先日ラウラが話した宗教観の話をきちんと覚えているので、すぐにその話を振るとそれにラウラもジャディラも答えて
「そういうキッチーは何の宗教を持っているの?」
と聞き返してきます。

多くの日本人と同じく無宗教の僕は、親の勝手で実家の神棚に自分の名前が入った何かよくわからない札が飾られているだけでまあまあ腹が立つくらい、無宗教というよりはそういった類いのものがちょっと嫌いなのですが、物事を説明あるいは否説明(変な言葉)するときによく「神様」という言葉を使います。

もちろんそれは信仰心とはほど遠く、哲学にも届かない「遊びの価値観」というか「そうだったら面白いな、楽しいな」程度の「おはなし」なのですが、そのおはなしを二人にしてあげました。

まず「神様」は「神様」であってジーザスでもブッダでも何者でもないということ。なんなら「サムシング」でもいい。
そして(キリスト教全然詳しくないからよくわかってないけど)キリスト教のエンジェルにあたる使いっぱみたいなのがやはりいるということ。
そして「神は至る所に」ではなく「使いっぱが至る所に」という考え。
それと「拾う神」について。

「俺はね、好きな歌を聴いたり好きな小説を読んだり映画を観たり、暖かいシャワーを浴びたり、天気がよかったり、海を見たり、美しい景色を眺めたり、そんなことだけで自分が拾われた気分になって感謝をしたくなるんだ。そして自分を幸せにして自分が感謝できるものなんて至る所にあって、しょっちゅうそういうものを探している。
いわゆるマザコンとは違うけど、そういうものの『拾う』という性質全てに母性を見出している俺は、自分のことをやはりある種のマザコンだと思っているんだ。
ただし、自分の父ちゃんや兄ちゃんや男友達も同じように自分を拾ってくれる。彼らに母性を当てはめるのはちょっと気持ち悪いだろ。
だからきっとキリスト教も『母性は至る所に』ではなく『神は至る所に』っていうことにしたんじゃないかな。
神は一人でいいけど使いっぱがあらゆるところにいてそいつらがいつもサインを出しているような気がするんだ」
なんて話を、途中「母性」を説明するのに手こずりながら説明してあげました。

ジャディラもラウラも微笑みながら聞いててくれたので
「今おまえらが微笑んでいるのは、何割かは使いっぱが俺の話をおまえらに届けてくれたおかげかもしれないよ」
と付け加えました。

この話、自分のケツの穴を見られているようで、告白するのは地獄のようにこっぱずかしくなるのですが、実は結構な回数、この話を女のコにして口説いたことがあります。
もう僕いい大人なのでこれを機に封印したいと思います。

ただしこれを話した後、ラウラが考えを変更。
「別に私、彼氏にする人はカトリックじゃなくても何でもいいかな」

効果あり。
ラウラとジャディラ、二人同時に口説き落とせないかな、なんてことを、腸痛のせいでリンゴジュースしか飲んでおらず、完全シラフなのに半分以上本気で考えてしまいました。

体調、回復したな。

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